『田村眀人』たむら よしんど 先生
私がまだ20代で卓球指導者駆け出しの頃から、
田村眀人先生には、講習会や部活指導でよく群馬県に呼んでいただきました。
しかし自信を持って教えられたのが、バックサーブだけでしたが…。
全国中学校大会の会場で田村先生から
「平岡さんからバックサーブを教わったメガネ君が大活躍で全中の代表になれましたよ」
長身でメガネをかけたカットマンの男子中学生のサーブは、もろ効きでした。
それから10数年後の全中の会場で、田村先生が指差すベンチの若い先生。
「平岡さん覚えてる。あのメガネ君」
あのカットマンの男子中学生は、中学校の先生となり顧問として全中に出場していました。
中学校の部活動を通して卓球界に多大な貢献をされた先生ですが、
子供たちだけでなく、後進の若い先生の育成にもご尽力されていました。
自ら顧問で全国中学校大会男子団体優勝。
名将・吉田安夫先生が、初めてインターハイで優勝したときの選手は、田村先生の中学の教え子たちでした。
全日本5回優勝の星野美香選手（現在日本卓球協会強化本部長の馬場氏）
を小学生の時に見出してチャンピオンに導いたのも田村先生でした。
写真撮影にも造詣の深く、たくさんの立派なスナップ写真を送っていただきました。
結婚式の写真も大きなアルバムにして、桐の箱に入れてプレゼントしていただきました。
数ヶ月前に田村先生から40年以上の指導をまとめたものを送りますと電話ありました。
おそらく病床の中で書かれたものでしょう。甲高いようで図太く、体育館にいる全員の脳天を貫くほどの特徴のある大きな声でしたが、
電話では、少し苦しそうな声でした。
「奥様はお元気ですか？」ハイ
「それは良かった」
「よろしくお伝えください」
いつも会話の最後にはワイフを気遣った言葉を掛けてくださいました。
本当に最後の会話の最後も・・・
私の卓球だけでなく、人間としての恩師である田村眀人先生が12日に天国に旅立たれました。
ただただ感謝しかありません（涙）
合掌