ブンデスリーグ2部最終節がホームで行われました。長くチームを支えてきたビボニー選手とマレック選手への送別の気持ちを込めたセレモニーが行われました。
午前中は町役場へ表敬訪問。
町のサイン帳「ゴールデンブック」にサインをさせてもらいました。この町はちょうど101年前の今日(1916年4月2日)からスタートした町だそうです。
試合に先立ち横断幕と一緒にビボニー選手、マレック選手も入場します。今日のお客さんは新記録となる746人!(私たちの町は人口5千人です)立ち見の方が出るほど多くのお客さんが会場に足を運んで下さいました。(同じ日に行われた1部のデュッセルドルフの試合は約950人のお客さんだそうです)。
いつもは6点を取るまでが本当に長く感じる試合では「早く終わって欲しい」と心のどこかで思うのですが、今日の試合だけは「1分でも長く、ビボとマレックにプレーして欲しい。」という気持ちがこみ上げてきました。
それでは試合のハイライトです。
ここまでで4対5。そしてマレック選手がいよいよマッチポイント!
試合が終わりサポーターの方々と夕食をとりながら笑い話をする中、とうとうビボとマレックとの食事も最後になりました。
「ビボ、世界選手権でもまだまだプレーできるよ。挑戦しないの?」の私の質問にいつになく真剣な顔つきで答えるビボ。「コウジ、俺は卓球というスポーツをリスペクトしている。もし毎日毎日ハードな練習をする体力があるなら挑戦したい。たった1試合だけなら勝てるかもしれない。でも、あの場に立つことが許されるのは毎日ハードな練習をこなせる選手だけなのさ。残念ながら今の俺にはその体力はないよ。でも俺は本当に卓球を愛しているんだ。50歳まででもできるなら現役選手に挑戦するよ。」この言葉に涙が出そうになりました。
マレックも若い選手の手本として、一緒にプレーしながらたくさんの経験を彼らに伝えてくれました。私がドイツに来たばかりの試合で「コウジ。ミズキ(及川選手)は試合で失点すると元気が無くなってしまう。それじゃダメなんだ。ミズキがBTTCで毎日ハードな練習をしていることはみんなが知っている。そんなに頑張っている自分を信られなくて何を信じれば良いんだ?。たとえミスをしても、たとえ負けても、自分を信じて次に挑戦することが一番大切なんだ。心が強くなければプロフェッショナルでは通用しないんだ。」と熱く語ってくれました。
日本にはまだプロリーグがないため、40歳を過ぎてもプロとしてプレーをする選手はいませんが、彼らから聞く言葉には重みがあります。正にプロフェッショナルです。
ビボ、マレック、本当にありがとう。そして、来シーズンから1部に挑戦する私たちをいつまでも見守っていてください。
スポーツを通して地域の方々と心が一緒になるプロリーグは本当に素晴らしい感動を与えてくれます。家族を連れて誰も知らない異国の地に来て1年が過ぎました。この町に来て良かった。この方達と巡り合えて良かった。眠りにつくまでずっとそのことばかり考えていました。
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