携帯電話のネットが繋がらず、オーストリアとの国境を越えてドイツに入り、すぐにキリアン選手の準決勝の結果をチェックしましたが残念ながら1対4で先輩のシュテガー選手に敗退していました。自宅に戻りITTF・TVですぐに動画を見ましたが、さすがに先輩はキリアンの苦手なところにボールを送りながら試合を進めていました。
今大会、世界のトップ選手が出場していないチャレンジシリーズとはいえ、世界ランキング200位前半のキリアンの活躍はセンセーショナルだったと思います。U-21準決勝の松山選手戦以外は、ほとんどの9対9、10対10の場面でポイントを取ることができました。若い勢いのある選手はこの競り合う場面までは行けますが、ここで勝ち切ることができるかで全てが決まります。ドイツに来て1年間、彼にはたくさんの戦術的な事や長所、短所の事。そして、最後にどうやって勝ち切るかを伝えてきましたが、トップレベルの試合でできるようになってきました。
自宅に着くとすぐにキリアンからメールが入り「コウジ、今回のベンチは本当にありがとう。自分の活躍の一番の理由はコウジのベンチだったよ。そしてコウジの家族と明日誕生日のアキトによろしくお伝えください。」との内容でした。ある試合でジュースでタイムアウトを取り、「今まで一回も出していないこのサーブを出せ!絶対サービスエースだから!」と言って本当にその通りになったことで、今まで以上により戦術的なアドバイスに耳を傾け、質問してくれるようになりました。彼に自分が身につけた知識を100%伝えて、目標である東京オリンピック出場に向け全力を尽くしてあげたい気持ちに益々なりました。今回の結果はまずまずでしたが、結局は選手の頑張りが95%以上です。私は黒子に徹し(試合中はうるさいですが)「最後の1点」を彼に獲らせるのが仕事です。
そしてキリアンは休む間も無く明日からクロアチア・オープン予選リーグのスタートです。また次のトーナメントが始まります。今回も「9対9、10対10」の試合が続くでしょう。私はドイツから次に当たる選手の情報収集に集中します。
昨日は晴天でした。日曜日ということもあり渋滞も無く9時間の運転でした。オーストリアの山あいを運転していた時に、雪山のあまりの美しさに思わずサービスエリアに車を止めて写真を撮りました。
ドイツに戻ると5月に咲く「菜の花」が満開でした。ようやく暖かい季節のスタートです。
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