やっと1勝しました。
たったの1勝で長いブログを書いてすいません。でも本当に長い道のりでした。25歳から監督という仕事につき20数年。今までのどの勝利も本当に嬉しかったですが、今回の勝利は言葉になりませんでした。インターハイ・全国中学、それぞれの大会前は極度に不安になることもありましたが一発勝負のトーナメントで勝てるかどうかの不安でした。しかしこの「ブンデスリーグ1部」は最後の1点が取れないまま18試合全敗の可能性もありました。出口の見えないトンネルは不安というより恐怖に近いものすら感じました。
昨シーズンまで2部リーグで2連覇できましたが、それは選手が勝つための十分な実力を備えていたからだけです。ただ1部リーグは相手のすべてが格上。自分たちの実力以上の力を発揮し、尚且つ3点勝利しなければチームの勝ちには結びつきません。「1部に挑戦しよう!」意気込みはありましたが勝利は簡単ではありませんでした。
10月28日(土)19:00からのホームゲーム・グレンツァオ戦への最初の関門は前日行われたPokal準々決勝・ブレーメン戦でした。この試合は日程が直前まで決定しておらず、ホームゲームのチームがアリーナの都合などを考え都合のいい日時を2日指定し、どちらかの日に行うことになります。実際は選手のコンディションや出場の可否で決められます。全日本学生選手権のため帰国中の及川選手が不在中に行われたら最悪だ!と心配していましたが、案の定、試合は10月27日(金)19:00からブレーメンで。及川選手不在、500キロ離れているので日帰りできない。キリアンはアーミーキャンプのため十分な練習ができない。翌日がホームゲーム…
試合は惨めでした。0対3の0対3。誰も1セットも取れない。セット間のアドバイスではイライラする選手。「ボールの弾みが違いすぎる」「体が動かない」言い訳ばかりで焦りの極限に達していました。
そして試合が終わりホテルでの夕食の時に、惨めな試合だったにもかかわらず笑いながら話す選手たちにドイツに来てから一番厳しい言葉で注意しました。即座に雰囲気が暗くなり選手がサッと部屋に帰りました。
「明日のホームゲームに向けてどうすれば良いんだろう。」考えても考えても答えが見つからず部屋に帰ろうとした時、今日の対戦相手の Steger Bastian選手(シュテガー選手)がロビーにいました。このホテルに泊まるのだそうです。
「バースチャン、時間ある?」
「あるよ」
【中編に続きます】
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