長く指導者をしていて多くの名場面を見てきましたが、勝利の瞬間に前に倒れこむ選手は初めて見ました(笑)
壮絶な試合でした..
この全日本選手権で松平賢二選手(協和発酵キリン)に3対4で敗退した及川選手は試合後、少し涙目で「先生、僕、本当に今からドイツに戻りますか」と聞いてきました。あまりに厳しい日程なのは重々承知していますが「うん、帰るよ。たくさんのサポーターが及川を待っているんだ。明日、フランクフルト空港で待ち合わせして一緒に街に帰ろう」と伝え別れました。フランクフルト空港から二人で電車に乗りクニックホーフェンについたのは試合当日の朝1時。試合は15時開始。
現在8位の私たちと7位のグルーンウェッターズバーグのこの試合。相手チームのエース森薗選手はご存知の通り全日本選手権の準決勝に進出したので不出場ですが、ワルター選手(WR27位・ドイツ)は試合巧者、ダン選手(邱コーチの次男・ドイツ)、ボーカー選手(イギリス)も力があり、勝っても負けても僅差の試合が予想されました。
まず1番のダルコ選手がワルター選手に1対2の第4ゲーム5対9から逆転勝ちし幸先の良いスタートを切りました。しかし2番の及川選手は、時差と全日本と違うボールという最悪のコンデション。ダン選手の思い切ったプレーに0対3で惜敗、続く3番のフィリップ選手も敗退し後がなくなります。
4番でダルコ選手がダン選手に勝利しラストは及川選手対ワルター選手。前半戦ではワルター選手の術中にはまり0対3で敗退していますが、「全部YGサーブで戦う」という思い切った戦術変更で勝負は最終ゲームに突入します。
試合のハイライト動画をご覧ください。
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板垣孝司監督
青森山田学園中高男子卓球部監督を経て、現在ドイツブンデスリーガ1部のヘッドコーチ。 これまで青森山田でオリンピック選手を始め、多くの日本代表を育ててきた。シェークハンズでは、初心者からトップ選手、ジュニア選手に有効な練習方法まで色々なテクニックを発信。
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