ドイツには「クラブに登録して間もない子供達の選手権大会」ミニマイスターシャフトという大会があります。地区予選・州の予選を勝ち抜いた選手が全ドイツのファイナルに進みます。クニックホーフェンからはアナとコハルがバイエルン州代表で出場しました。まだ卓球を始めて間もない子供達の試合なので日本のホカバようにハイレベルではありません。今大会では男子で7歳の選手が出ていて11歳の選手までが出場していました。8歳のコハルは一際小さく、ベンチコーチなしの試合なのでどうなるか心配でしたが、予選から8試合全勝で優勝することができました。アナも健闘し10位でした。
決勝戦だけ卓球台をフェンスに囲み、その周りでは試合を終えた選手たちが試合を見るというブンデスリーグのような配置だったので、普段は緊張しないコハルも今回は少し緊張したそうです。試合終了後は男女のDONIC契約選手のショーが行われ、プロ選手の試合を間近で見た子供達と保護者、指導者は大興奮でした。その後コハルは名前を呼ばれラケットを持ってくるように言われました。なんと契約選手との即席ミックスダブルスをみんなの前でするとのことでした。コハルは試合後ソックスを脱ぎサンダルに履き替えていたので、私がシューズを履くよう促すも「何で?」と言ってそのまま試合に出場してしまいました。
試合後は人生初のインタビューを受けましたが、私の通訳なしで対応していたのでホッとしました。
コハルはドイツに来てからラケットを握ったので卓球を始めて約2年です。練習相手は双子のカズト。ボールを打つ時間はカズトと二人で1日1時間程度。コーチは「シェークハンズの動画」です。私はドイツでも日本でも基本が出来上がった選手は指導してきましたが、始めてラケットを持つ選手を指導した経験がないので、間違った指導にならないように指導のお手本は全てこのシェークハンズの動画です。子供達は平岡コーチの「⚪️⚪️理論」を全て理解しています。「今のCCじゃないよ」「調子悪いからSSやってみて」の専門用語で練習が成り立ちます。「無理矢理指導する」というより平岡理論から外れないようにだけ指導しています。もちろん5月から配信が始まったTT理論もすぐに実践しています!
練習中、子供達は「上田くんのチキータって2種類あるよね」「今のは山本さんのようにコースをついて振り回したよ」「今のボールは森薗くんなら間に合ったかな?」「平塚コーチは上回転を下回転に見せるんでしょ?」などトップ選手のプレーをイメージし、時折すごいバックハンドを打ち込んで「ダルコ〜ヨギッチ!」と叫び、楽しくやっています。
翌日、ドイツ卓球協会のHPに記事を掲載してもらいました。こちら
試合が終了し、大会が行われたルクセンブルグとの国境の町 Trier(トリーア)を散策に行きました。日本のガイドブックにはあまり載っていない町ですが「ドイツで一番古い町」として有名です。
ポルタ・ニグラ(黒い門)
カイザー・テルメ(昔のテルメの遺跡)
など、ローマ遺跡郡が世界遺産に登録されています。お土産はモーゼル川沿いで作った「モーゼルワイン」を調達して帰りました。
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