ここブンデスリーグでは、次のシーズンのための選手獲得が11月には始まります。昨シーズンの移籍の目玉はダルコ・ヨギッチ選手(当時クニックスホーフェン選手)でした。前半戦で衝撃的な活躍を見せたダルコ・ヨギッチ選手は契約メーカーのティバーとの関係もあり、前半戦が終えたばかりのこの時期に、ザーリュブリュッケンがフェイスブックで「来シーズン、ダルコ選手と契約しました」と発表しました。これには仏のアンディーも激怒しました。
2015-2016シーズン。クニックスホーフェンのマネージャーのアンディーにBTTCで指導している邱コーチから電話がありました。「彼は健太(松平選手)や孝希(丹羽選手)のような感覚は無いかもしれない。でもとにかく練習を一生懸命やる。必ず120%の集中力でやる。いつかブンデスリーグのトップ選手になる日が来ると思う」と。
そのシーズン、私がドイツに来る前の前半戦では思うように結果が出ず、逆転負けをしては落ち込んで顔が下を向く。ただ、気心の知れた日本人コーチである私が来て少し安心したのかもしれませんが、後半戦では前半戦での負けが嘘のように勝ちまくりました。そして目標であった「2部での個人勝率1位」をもぎ取りました。チームも3部降格?が見えていた順位から奇跡の逆転優勝を成し遂げました。そして彼は..
「来シーズンは1部でやりたいです」と伝えてきました。
2016-2017シーズン。「ブンデスリーグの移籍は前半戦での活躍が鍵になる。だからもう1シーズンここで頑張ろう。そして来季は必ず一部でプレーしよう。」と彼を説得しクニックスホーフェン(2部)での2シーズン目が始まりました。このシーズンは吉村和弘選手(岡山リベッツ)と半分ずつの出場となりましたが、二人とも期待に応える大活躍をし、2シーズン連続での2部リーグ優勝を成し遂げました。そして、クラブもスポンサーの方たちと何度も話し合いを重ね、来シーズンの一部リーグへの挑戦を決めました。
2017-2018シーズン。初の一部リーグへの挑戦。チームは10チーム中9位。彼も世界のトップランカー達から勝利も挙げるものの、個人としては大きく負け越しシーズンを終了しました。「来シーズンは前半戦から飛ばすぞ!そしてビッククラブからもオファーがかかるような選手になろう!」そう声をかけてシーズンを終了しました。
2018-2019シーズン。昨シーズンの反省を生かし研究を重ね、前半戦から勝ち星を量産しました。ヨーロッパ選手権準優勝のイオネスク選手、第3位のフランシスカ選手らからも勝利し、気がつけば14勝4敗(12月23日時点)。そこには明らかに進化した彼がいました。
数週間前、私のLINEに「ピンポーン」とメッセージ。「及川からだ」
「こんにちは。今日、デュッセルドルフのマネージャーからオファーの話をもらいました。」と。(続く)
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