ブンデスリーグで死闘を繰り広げていた週末、ジュニア選手にとっての目標であったバイエルン州Top14が行われていました。
アキト、ヤコブ、マックス、アレックスがシューラーA男子(日本のカデットの部14歳以下)に、カズトがシューラーC男子(10歳以下の部)に、コハルは上のクラスのシューラーA女子に、クララがシューラーC女子に出場しました。特にシューラAの部の上位選手が全ドイツのTop48に出場できるため、この大会を目標に夏休みの練習を頑張ってきました。
最近、福岡県の名門チーム「石田卓球クラブ」の石田先生のインタビューを記事で拝見しました。故 荻村さんから「年間1300時間子供達が練習できる環境を作って欲しい。そうすれば中国に追いつけるとアドバイスをもらった」との内容でした。やっぱり練習しかないな、と思いながら夏休みが始まりました。
ドイツの6週間の夏休み、アキトがラケットを握らなかった日は2日だけ。疲れと怪我に細心の注意を払いながらも、チェコ・クロアチア・スロバキアまで行っての練習と試合を繰り返しました。練習内容が良かったかには自信はありませんが、頑張った成果は必ず試合の苦しい場面で生きてくる、の信念で。
土曜日から始まった14人でのリーグ戦。私はこの日のベンチコーチを終え、第1チームの夜の練習に間に合うように帰宅。ブンデスリーグに備えました。あとは全て妻に任せて.. もちろん戦術を家族のラインに貼り付けて。 土曜日、アキトはクニックスホーフェンのヤコブに敗退したものの、第1シードの選手に勝利し6勝1敗。カズトも1敗。コハルは3勝4敗。
2日目の日曜日、試合開始10時。子供達や妻から全く結果の連絡がなく「取りこぼしたかな?」「負けたから連絡してこないのかな?」とネガティブになりながらも「あとは結果を待とう」と気持ちを完全にブンデスリーグに切り替えました。
ブンデスリーグ第2試合のキリアン選手の試合が終わり15分の休憩の時に携帯電話を見たら緑色のランプが光っていて「ラインだ」妻からでした。
「今日3人とも全勝!」
「嘘だろ?」
「アキトもカズトも、最低3位に入ればいいよね?」と途中で言ってきたから「ダメだから!パパがいないから勝てなかったなんて言わせない!」と気持ちに火をつけたそうです(怖)!そして朝の練習では後ろに張り付いて平岡理論を徹底的に確認したみたいです。コハルのライバルの元ブンデスリーガのお母さんから「3人×6試合、18試合のベンチを一人でやるの?信じられない!すごい」と驚かれたと言っていました笑。
少しだけですがドイツ語を話す妻に声をかけてくる方が増えてきたみたいです。以前は全ドイツの大会でコハルがカットマンに逆転勝ちした際、中国人女性に「あなたカットマンでしょ。タイムアウトの後変わった」と言われていました。
今回私がブンデスリーグのため、キリアンの父ヨゼフもベンチコーチを手伝ってくれました。保護者もクニックスフォーヘンの選手が試合をしている時にベンチがいない場合は入ってあげたり、応援をしてまとまっていたらしく、帰る間際はちょうどキリアンの試合の最終セットで、表彰式後みんなでライブで見て、キリアンが勝った瞬間に会場中響くような声で喜んだそうです。
私がブンデスリーグと日程が重なったため、宿泊の手配と、約300km離れた試合会場までのワゴン車の運転を全て父兄が段取りしてくれました。
正にチーム クニックスホーフェン!
アキトは準優勝し、全ドイツTop48の出場権を得ました。そして一緒に練習しているヤコブが大躍進の第3位!ヤコブも夏休み中一緒にスロバキアとチェコの試合に出場し、大きくレベルアップしましたが、この結果は凄いです!
カズトも第2位。ドイツのリーグ戦は勝率で並んでも選手間の試合結果ではなく、全体のセット数で順位がつきます。アキトもカズトも優勝者には勝利しましたが、他に1試合負けているのでセット数で準優勝でしたが、それでも良く頑張りました。カズトは最終試合のライバルとの一戦は、他のクラブの選手にも応援してもらったそうです。女の子に人気のある男子選手がいて、その男子選手がカズトを応援したため、もれなく応援ガールズがついてきてくれたそうです笑。カズトの張り切る姿が目に浮かびまします。フルゲームで勝利し「チョレー!チョー!」と叫んだらしいです笑
コハルはビックリの5位。今まで1セットも取れなかった選手にも勝ち目標よりも順位を上げました。
「今日の夕飯は外食で良いでしょ?もうクタクタで夕飯作れないから」と妻。もちろんオッケーですが、子供達は宿題をしていませんでした。
注文した料理が来るまで、勉強させてもらいました。
「練習は嘘をつかない」誰もが口にする簡単な言葉かもしれませんが、これ以外の近道はないです。みんな本当によく頑張りました。
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