選手にとって辛い、後味の悪い試合でした。バースティのあんな表情も見たことがありません。
会場の相手の応援に、全く自分たちのプレーを発揮することができませんでした。
ブンデスリーグでは比較的狭い会場で試合をするチームが3つあります。グルーンウェッターズバーグとフルダとムールハオゼンです。どのチームも観客が入り盛り上がります。選手たちも小さいホールでの試合には慣れていますが、このムールハオゼンの太鼓での応援は選手と私の我慢のリミットを越えます..
【15秒以内に次のサーブを出さないとイエローカード】というルールがあり、クニックスホーフェンの選手も何回か出されたことはありますが、ここではサーブを出す直前まで太鼓を鳴らし続ける。いつ頭を整理し集中力を高めれば良いのか。静寂した緊張感と応援の興奮を交互に保ちながら選手は最高のパフォーマンスを発揮し勝敗が決まる。それがプロリーグだと思っているのですが。
相手の太鼓を叩いている人に「ストップ・プリーズ!」と何度も大声で言いましたが全くお構いなし。我慢の限界を超えたクニックスホーフェンのサポーターがドイツ語で同じとこを言ったのに対し、相手側の応援団が中指を立てて挑発してくる。
相手が人間なら1000人のアウェイの中でも気持ちを保ち続けることはできますが、ずっと太鼓を鳴らされると試合の流れを冷静に分析することはできませんでした。選手ではなく私の負けでした。
【ハイライト動画です。ほとんど相手の好プレーです。】
及川選手の試合中が一番ひどかったです..
試合終了後、静止するクニックスホーフェンのマネージャーを振り切って試合統括の人に話をしに行きました。「これじゃ試合にならないよ。勝ちも負けもあるけど、これではプロフェッショナルスポーツじゃない!」「審判がその場で判断することだから私たちは分からない..」
今日はわざわざクニックスホーフェンからファンバスを出し多くのサポーターが応援に来てくれました。もちろん私の家族も来ていました。卓球が大好きでいつも選手の応援をしてくれる子供達ですが「パパ、今日は会場がうるさ過ぎて、ほどんど外にいたから及川君の応援ができなかったよ。」とカズト。「私も途中から頭が痛くなったから外にいた。」とコハル。
昨シーズンのホームゲームにムールハオゼンを招いた試合は2対3での敗退でした、その夜、ムールハオゼンのサポーターの方々は私の自宅前のマルクトプラッツで深夜まで大騒ぎをしていました。
プロフェッショナルスポーツとは選手と観客が一体となって一つの芸術的な空間を創るもの。私はそう思っています。
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