昨シーズンの王者ザーリュブリュッケンは前々日までヨーロッパチャンピオンズリーグを戦い、決勝戦でデュッセルドルフに敗退しましたが、素晴らしい戦いをしていました。私もほとんどの試合をライブで見ました。ザーリュブリュッケンの選手が疲労困憊だったのは言うまでもありませんが「これが俺たちの仕事だから言い訳はなしでベストを尽くさなければならない。」と語る彼ら。敵ながらプロ選手として敬意を表したいと思います。
ダブルエースのシャン クン(中国)とフランシスカ(ドイツ/WR16位)のどっちかが休んで、ダルコ・ヨルギッチ(スロベニア/WR31位)とポランスキー(チェコ/WR150位)が出てくると予想していました。4番手のポランスキーには昨シーズン、シュテガーが敗退しており、キリアンも勝ったことがない相手です。オーダー交換が終わり相手のオーダーはエースにポランスキー。シャン クンがシェテガーを捕まえに来て3番にフランシスカ。このオーダーには驚きました。シュテガーがトップで勝てなければ0対3の敗退も有り得ますが勝つのは簡単ではありません。
15:00 厳しい試合がスタートしました。
1番 シュテガー対シャン クン。チャンピオンスリーグでシャン クンが負けた試合を分析し「バックに深く突っついてバックハンドでストレートに持ち上げてくるボールをリスキーにバックハンドで狙うしか勝機はない」と判断しましたが、第1ゲームはイメージしたボールの質と違い、展開は悪くないものの落としてしまいます。ただ第2ゲームからはそのバックドライブに対応し始めたシュテガーが圧倒し始め、そのまま3対1での勝利!バースティー凄すぎます!
2番 フィリップ 対 ポランスキー。穴のないポランスキーに対し、フォアミドルへのハーフロングサーブとフォア前へのサーブを中心にストップをさせない展開を作り、フィリップが3対0で勝利!この試合も鬼のような形相で戦うフィリップのプレーは本当に強かったです!
話は飛びますが..
試合の2日前、ジュニア選手の練習のためシェークハンズクラブに行くと、すでにキリアンとフィリップが練習していました。ジュニア選手が準備体操も躊躇うほどのすごい迫力で。
フィリップの足元にある白い紙、ティッシュペーパーではありません。
次の試合に向けて今自分は何を練習すべきか、詳細に書いているメモです。先日、ティモ・ボルがブンデスリーグで400勝したと記事に掲載されました。「何勝したか数えていないなぁ」と笑うバースティーの隣で「俺は数えやすいよ。1年目は1勝。2年目も1勝。3年目も1勝。負けは数え切れないほど笑」と笑っていたフィリップは今シーズンシングルス5勝4敗、ダブルス2勝1敗で折り返しました。日本では中・高校時代に卓球ノートを書いている選手は多いと思いますが、大人になって書いている選手は正直あまり見たことがありません。今シーズン「ノートをつけて」練習しているフィリップの本気度が伝わってきます。
3番 キリアン対フランシスカ。どうしてもドイツの先輩に一矢報いたいキリアン。リスキーに戦いながらも要所を締め第1ゲームを奪いますが、フランシスカのチキータを狙う強烈なバックドライブ、一撃で狙ってくるチキータに勝機を見出せず1対3で敗退。
4番 シュテガー対ポランスキー。2番でフィリップが勝った戦術をシュテガーに伝え試合開始。昨シーズンとは全く違う戦い方でポランスキーを術中にはめていくシュテガー。「抜かれた!」と思ったボールにも手を出し失点を防ぐ、このモードに入ったら本当に強いです。第3ゲーム前に「バースティー。今日は遊び球なしだよ。相手が生き返る前に仕留めよう」と声をかけスタート。10対9まで迫られますが、最後は焦りの隠せないポランスキーがミスをして試合終了!
この勝利で1部に昇格して4シーズン目で全てのクラブから勝利しました!
【 ハイライト動画です 】
コロナ禍でしたが、前半戦全11試合を消化し6勝5敗(チームによって試合数がバラバラなので順位は未確定です)とまずまずのポジションで折り返すことができました。
今日は試合後の会場の片付けはなし。1月3日のホームゲームまで誰もアリーナを使わないので会場はそのままでOkだそうです。こうやって選手だけでなくヘルパーの方々と「勝って」祝杯をあげられる時が本当に嬉しいです!
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