面白い少年に出会いました。
8月22日(日)ホームでの開幕戦で出場機会のなかった彼は、出場した他の3選手が翌日の夕方から調整練習を行うと聞いて「コージ、午前中からフルに練習できないか?練習相手はアキトで十分だから」と言ってきました。「もちろんやろうぜ!俺も多球練習できるから」と23日(月)24日(火)とも午前中からフル練習をしました。
格下のアキト相手に、全く手を抜かず動きまくる彼。その姿を見ていると「本当に卓球が好きなんだなぁ」と感じてしまいます。プロ選手の練習は独特の緊張感があり、逆を言えば「絶対に負けられないんだ」という悲壮感に似たものを感じる時もありますが、彼の練習は緊張感を保ちながらも「卓球が楽しい!」というのが伝わってきます。
「ゲーム練習お願いしていい?」とアキトが聞くと「やろうぜ!」と快くやってくれます。そのゲーム練習をアキトがビデオに撮っていたのですが、最後の2本は自分のベストボールを叩き込み「アキト!最後の2本だけ切り取って俺の携帯に送ってくれ。俺のベストボールだ笑!」と言っていました。
しかし午後のシュテガーとのゲーム練習ではボコボコにされ「バースティーは全てのボールで俺にとどめを刺すよ。」と意気消沈。
数ヶ月前に初めて会った時は英語を話さなかったのに、今はもうペラペラ。「勉強したの?」と聞くと「英語を聞くことはできてたけど、自信がなくて話せなかったんだ。でも今はもう大丈夫!」と答えてきました。
試合が終わり、帰りのバスに同乗していたキリアンが「コージは相変わらずクレイジーだな。たった1回も練習したことがない俺とダブルスを平気で組ませるなんて。1ゲーム目ノーチャンスだったろ?サーブのサインを決めてコートに立ったのに、お互いがサーブのサインを勘違いしていたんだ笑」
キリアンには伝えました。「19歳でダブルスのタイトルを獲るには、もちろんパートナーとの連携も大切だけど、まずは個人のレベルがそこに到達していなければ不可能だと思う。それにキリアンはダブルスが上手い。噛み合わないはずはないと思ったから自信を持って名前を書いたんだよ」「及川とデュッセルドルフ戦で勝った時も初めて組んだじゃないか」と。
【動画です】
マキシム・グレベノフ(19歳/ロシア・サンクトペテルブルグ出身)
19歳にして並み居る強豪を連破し男子ダブルスのチャンピオンに輝いた選手です。今日の1番では相手のエース・イオネスク選手(ルーマニア/WR55位)を3対0で倒し、マッチカウント2対2で回ってきたダブルスではキリアンとのペアで勝利!
ガッシリとした体形ながら足が速く、及川選手のように連打で相手を仕留める。だけでなく、バックブロック、中陣での粘り、柔らかいタッチの台上プレー、次々と変えながら試合を組み立てるサーブ。
そして何よりも物怖じせず「相手に向かっていくことができる」メンタリティーがある。
19歳なので少年と最初に書きましたが、今シーズン大活躍できれば「大化けする匂い」がします。その頃には少年ではなく「トップ選手」ですね。
世界のトップ選手になれるように、どんどん試合に出していきます。
「マキシム・グレベノフ」この名前を覚えておいてください!
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