ドイツではシーズンを通してホーム&アウェーで戦うブンデスリーグの他に、一発勝負のトーナメントのドイツカップという試合があります。クニックスホーフェンが1部リーグに挑戦してまだ一度も勝ったことのないドイツカップ..
前節のリーグ戦で途中棄権したバースティーと体調不良のため試合に出場できなかった宇田選手が揃ってコートに立つことができました。
もちろん仕上がりが十分ではありませんでしたが、現時点のベストメンバーで戦い、悔いのない試合をしたいと思っていました。
対するオクセンハオゼンもシモン・ゴジー選手(フランス/WR29位)も出場し、お互いにベストメンバーでの勝負。オーダーは過去にカナック・ジャー選手(アメリカ/WR32位)とゴジーに勝利している宇田選手がエース。前回のオクセンハオゼン戦でジャーをフルゲームジュースまで追い詰めたバースティーが2番に出てジャーをを捕まえる。3番は今シーズン好調のフィリップ。
「Yukiya(宇田選手)のダブルスの実力を発揮するために、Yukiyaを2番か3番に出場させることはあり得るか?」選手と相談したところ「オクセンハオゼンは強い。ダブルスを考えてもダブルスまで回すのも簡単ではない。Yukiyaをエースに出場させよう」との結論に達しました。
オクセンハオゼンはエースにジャー。ゴジーが3番を予想していましたが何と2番。宇田選手を捕まえに来たのか、それとも他のオーダーを予想したのか.. 3番にロブレス(スペイン/WR56位)。全ての対戦で過去に勝ったり負けたりの試合なので、真っ向勝負のオーダになりました。
19:00試合開始..
1番 ジャー vs バースティー。ラブオールからバースティーの華麗なバックハンドが決まり「今日も押していけるか..」と思いましたが、ジャーのプレーに全く隙なし。2ゲーム目のジュースでネットインが入るなど不運なポイントもあり0対3での敗退。
4年前に鳴り物入り(当時の世界ランキング20位)でブンデスリーグに来たジャーは本物になってきました。昨シーズンまではまだ隙がありクニックスホーフェンの選手達も勝ち越していましたが、名門クラブの責任あるポジションでプレーしながら、試合での落ち着きと風格を備えてきました。若い選手が本物の選手になっていくブンデスリーグのシステムで、ジャーも確実に力をつけてきています。
2番 ゴジー vs 宇田。WTTでは勝利しているものの11対9の僅差。今日のゴジーは徹底したチキータ封じのサーブ3球目と思い切った両ハンド、ゴジーらしいファンタスティックなプレーで宇田選手を0対3で完封。十分な練習ができていなかった宇田選手は台上の細かいプレー等の精度が上がらず、無念の敗退。ただこの体調の中でもコートに立ち世界トップの選手と真剣勝負をすることは大きな経験になると思います。
3番 ロブレス vs フィリップ。中後陣からの長いラリーが得意なロブレスに1ゲームを取られ、2ゲームも1対7。しかしここから大逆転し、ゲームカウント2対1とリード。「今日もフィリップがチームを救ってくれるか?」と思わせる試合でしたがロブレスの執念が上回り2対3での敗退。
チームも0対3での敗退となりました。
【 ハイライト動画です 】
ドイツカップは本当に勝てません。無念です..
試合翌日、宇田選手をミュンヘン空港まで送って行き、車の中でたくさんの話をしました。まだシングルス3試合しかしていませんが、高校3年生で全日本チャンピオンに輝いた逸材は立ち止まらず進化し続けるために、タフな日程、異文化での生活、個性の強いブンデスリーグのプロ選手達に揉まれています。ジャー選手も3シーズンは結果が出ませんでしたが4シーズン目で開花しています。
頑張れYUkiya!
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