今年の記録的な猛暑は北の地、青森でも相当の暑さでした。そして思いもよらないアクシデントが発生しました。選手と一緒にたくさんの経験をし、少々のハプニングなら「想定内」と済ますことができるようになりましたが…..。
「練習場のエアコンが故障…。」
青森山田学園卓球センターは元々エアコンを使う設計のため窓がありません。あれば甘え、なければ覚悟が決まる人間の心理。「窓を開け、換気をする」ことすらできない練習環境の中、逆にインターハイに向けての絶好の対策、と選手に伝えました。いや、そう直感的に感じました。
「今年の滋賀県立体育館は狭目の体育館で、しかも男女ともに同じ会場で行われる大会。応援席も一杯になるだろう。エアコンが効いた会場とはいえ、相当な暑さになることは覚悟しよう。そして、現地では自然に練習量が増えてしまうから、今は暑いけども我慢して練習をしよう。現地でのエアコンの効いた練習場は天国に感じるはず。一番大切なことは現地で元気良く練習できて本番のコートに立てること。」
夏休みに入り、まだ練習場の気温が上がりきらない午前中は7時45分から11時30分までの「質」を追求した1球練習やゲーム練習をこなし、練習場内が35度以上に上がる午後の練習はひたすら、2時間の多球練習。練習を何とか計画的にこなしインターハイに臨みました。
選手が大変だったのはユニフォームの洗濯でした。15分の乱打後に着替え。8分ずつ3回の練習中は16分毎に着替え。ゲーム練習の3ゲーム目が終わって着替え。多球練習中は10分毎に着替え(笑)。
熱中症対策として、水分補給も重要でした。朝晩は、冷蔵庫で氷を大量に作ることも大事な準備でした。各自が保冷専用の水筒を購入し、キンキンに冷えた水分を補給しながらの練習でした。
大会出発2日前、この日は午後休みでした。選手は疲労困憊。「しっかり疲れを取りなさい。」そう指示した直後、高橋が「先生、午後少しだけ練習していいですか…。」「高橋、俺も付き合うよ。最後まで頑張ろう。」午後の練習場はとうとう40度まで上がっていました。大学生の池田に練習相手をしてもらいながら、高橋はSV・RVからの展開、自分の卓球は何で勝負するのか、ユニフォームを着替えながら納得がいくまで練習を行いました。調子が上がらないというより、私に「だめ出し」ばかり指摘されていて自信を失っていた高橋ですが、前日の練習でようやく「自分が何で得点するか」のパターンが見え始めたようでした。「もう少しだ。高橋。頑張れ!」
それにしても今年の夏は青森も暑かったです。暑い中戦うのがインターハイ。体力と精神力の勝負となるインターハイ。暑さに負けない対策が大事なことを体験した夏でした。(➄大切な高橋・一ノ瀬の頑張り、に続く)
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