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板垣孝司ブログ
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ドイツ1部監督。青森山田前監督

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板垣孝司の全レシーブ克服
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元青森山田学園卓球部監督、現ドイツプロリーグ1部チームのヘッドコーチ。初心者からトップ選手、ジュニア選手に有効な練習方法まで色々なテクニックを紹介します。
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2015年8月28日 8:30 公開

大津インターハイ⑧ らしさを発揮できなかった及川

大津インターハイ⑧ らしさを発揮できなかった及川

(写真提供:バタフライ)
昨日書いたボールの変化に最も対応しきれなかったように見えたのが及川でした。もともと回転量の多い「質の高い」ボールでチャンスを作るタイプの及川は、自分が「しっかりかけた」手応えのボールを打ち込まれる場面が多くあり、とうとう最後まで伸び伸びとした自信溢れるプレーをすることができませんでした。

アジアジュニアから帰国し、練習を再開した7月29日。一目見て、明らかに及川の打法は「詰まって」いました。アジアジュニアは打ち慣れていないボールで行われました。「フォアハンドの打点がばらけ、チキータが角当たりばかり…。」「インターハイ直前にどういう声をかけるべきか。徹底して調整するのか、本人が自然に調整してくるのを待つのか。」「辛抱辛抱。」「凡ミスが多い….。」

とうとう我慢しきれなくなり、Shakehandsで平岡氏から指導していただいた動画を見ながらボールを出してみました。

「ボールの走りが3分の1もない…。」焦る及川を見て「これ以上は焦らせないほうが良い。」と判断してそれ以上追及しなかった私の判断ミスでした。

出発前日、最後の練習の1コマの課題練習。及川は「チキータ見てください。」と自ら申し出てきました。「やろう!」約1時間以上、チキータのチェックをしました。
角当たりや、ラケットの先にしか当たらない原因を追究しながら、
「違う!」「違う!」「今の!」「それそれ!」
ようやく「しっかりと安定して」ラケットの真ん中に当たり始め「しっかり回転をかけて」及川らしいチキータが入り始めました。「チキータは間に合った….。」「あとは持ち味のフォアハンド….。」

学校対抗、シングルスの序盤、何とか負けずに次のステージに進むことはできました。しかし、及川のプレーに「らしさ」はありませんでした。攻守のバランス、回転量の多いボールを駆使しながら自由自在に両ハンドを使いこなすプレーにはほど遠く、「負けられない。」と焦って無理をして打球点を落としてしまう…。

シングルス準決勝。「ゲームカウント3対4で敗退。」1年生で2位。2年生で3位の本人にとって「優勝」以外は「負け」になってしまいました。
21974(写真提供:卓球王国)
技術的な敗因は「フォアハンド。」私が「なんとかなるだろう。」と甘く見てしまった及川の主戦技術。全てのゲームの中盤、SVが効いて「チャンスボール!」「凡ミス..。」
ゲームカウント1-3から、3-3に追いつき、流れを掴みかけた7ゲーム目7-8。
「及川がバックハンドで相手(左利き)のフォアを攻め、クロスに返したボールを回り込み!」
「捕まえた!!」と心で叫んだ瞬間….。「打ちミス…….。」

ブログで選手の失敗談を掲載するのは、正しい事ではないのは重々理解しています。でも、本人は敗戦後、報道陣に対し、こう答えました。
「一からやり直します….。」
彼の心に何が残ったインターハイなのか。
「プレッシャーがありました。」と答えるなら、それは甘い。出場選手みんながプレッシャーを感じる高校生にとって最も熱い大会なのだから。
「全日本ジュニアで優勝したので、慢心しました。」と答えるなら、それは大間違い。ジュニア優勝で慢心した先輩たちは誰もいない。過去の実績は全て過去。もっともっと先を見て精進しないと。

あえて本人には聞くつもりもありません。理由は簡単です。

瑞基の目標はもっともっと先にあるのを知っているからです。
20759(写真提供:卓球王国)
頑張れ瑞基!
(続く)
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