前置きとしては全日本卓球選手権のように1回戦からハイレベルな試合ではありません。正直準決勝に進んだ時は「まだ対戦相手のレベルが高くないから」と思っていました。
準決勝で対戦した相手はドイツ代表として国際大会に出場している前大会のチャンピオンペア。13歳同士のペアーが入場チケットが完売になるほどの大観衆の前で大逆転勝利し、長い歴史を持つドイツ卓球史上最年少のファイナリストになるとは夢にも思っていませんでした。
ドイツ選手権は基本的に各州毎の代表なので、対戦相手に同じ州の選手がいる場合ベンチコーチは無しになります。初戦はバイエルンペアのためベンチなし。2回戦はヘッセン州のコーチが入って勝ちました。そして準決勝もジョセフィーナ(ジョジー)とマンツが同じ州のためベンチコーチは無し。毎日のように電話をして連絡を取り合っているジョジーとコハルは会話をしながら試合をしていました。
私の仕事はベンチ・・・の予定でしたが結局車での送迎とビデオのセットのみ..
準決勝ではゲームカウント2対1の8対7とリードしましたが、相手がここでタイムアウト。このゲームを落とし最終ゲームも4対9。「勝ちはないかな?」と思いましたが、次のボールを相手が少しイージーなミス。次にフォア表ソフトの選手に対してコハルが選択したサーブは同じフォア表ソフトのマティアス・ファルク(スウェーデン・男子ダブルス世界チャンピオン)に一番効く横上回転のフォアサーブ。ここで2点を取り7対9。ジョジーのレシーブで9対9に追いついた瞬間、会場のボルテージが上がり対戦相手の表情が一瞬強張ったので「これはある!」と携帯のカメラを起動させました。相手がレシーブミスをしてゲームセット。。。動画は間に合わずハイタッチとベンチに戻るシーン(途中、フェンスのみ)を家族に送ったところ、「なんだこれ?」の一言でした。
世界選手権並みの歓声の中、集中力を切らさず頑張り抜いたのはあっぱれです
今まで指導者人生の中で体が震えた瞬間は何度もありましたが、試合が終了した後も震え続けていたのは初めてでした。
【 ハイライト動画です 】
一番驚いていたのはジョジーとコハルだったようです笑
わざわざ応援に来てくれた梅村さん、上村さん、なるみちゃん、杉田さん、髙沢くん、ありがとうございました。
最終日に残るためにはシングルスかダブルスでベスト4に入らなければならず、コハルは必要最小限のユニフォームしか持参してきていませんでした。ドイツ選手権は各州のスポンサーのウェア着ることになっていて、私もコハルもティバーのウェアを着ています。
「パパ、最終日に着るユニフォームがないんだけど。」
「パパが持ってきたのはデカすぎるよね?ちょっと待って」
「ん?首が入らない..」「おかしいな?」
サイズを見てみるとXS.. 「カズトのユニフォームだった..」
「じゃあ、カズトの貸して!」
我が家のラッキーアイテムになりそうです笑
男子シングルスの優勝は世界ランキング9位まで上り詰めたダンでした。高速卓球の中にパワーを出し、なおかつペンホルダーの長所を生かした細かい台上プレーは圧巻の完成度でした。
試合後、ジョジー、コハルと一緒に写真を撮っていたら、「コージ、ニュンベルグの駅までお母さんを乗せて行ってくれないか?ドーピング検査が入って何時間かかるかわからないから」と。もちろん、ダンのお母さんとは顔見知りなので送って行きました。
男子ダブルスで決勝に進出したのはアキトの大の仲良しのマティアス(写真左端)でした。6月に平岡講習会inドイツを開催したときに参加し、平岡さんに質問するなど一生懸命学んだ選手です。
リカルド・キリアン組というナショナルチームの選手に勝利したマティアスは独学で日本語を学び、アキトとは電話で日本語を話しています。試合後、「コージ、やばい・やばい」と笑いながら私のところに来てくれました。
帰りの車中、コハルはすぐに爆睡モード。「レストランで何か食べていく?」と聞いたら「家に帰ってママの料理食べたい」と。
鍋料理と締めのラーメンをお腹いっぱい食べ「みんなでトランプしない?」と提案していましたが「明日学校だから早く寝ないと!」と父親の一言。
そして、鍋料理は
実はアキトが料理したのでした
クニックスホーフェンのマルクトプラッツでは、イースターに向けての装飾が始りました。今年の冬は何だか長かったように感じます。
春はもうそこまで来ています。
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