今回は選手編ではなく「コーチ編」。
選手達と一緒に国際大会に出場するようになり、毎大会、各国のコーチと顔を会わせる機会が増えました。アジア圏のコーチ陣は英語を話さない方が多いので、なかなかコミュニケーションを取るのは難しいですが、英語圏のコーチとは色々な話をします。「各国の卓球情勢について。各国の選手が来シーズン、どこのクラブでプレーするのか。」そして大切なのは「次に対戦する相手の戦術的な情報を得る」ことです。各国の「プロコーチ」たちは、たくさんのベンチコーチ経験があるので、レアな確度の高い情報を教えてくれることもしばしば…..。
冒頭の写真。どう見ても私の後ろにいるコーチは私より一回りも年上に見えます。でも英語には過度の「敬語」がありません。最大限に知っている敬語?を使いながら会話をしていたつもりでした…。彼が私より年下と知るまでは(笑)。
Zvonimir Korenic 通称「ズボンコ」。強豪国クロアチアのヘッドコーチです。私ども日本人にはクロアチアはピンとこない国かもしれませんが、世界チャンピオンも輩出している世界の卓球強豪国です。私の「ベスト・フレンド・イン・ザ・ワールド」のコーチです。
坪井勇磨(現筑波大学1年)・三部航平(青森山田高校3年)・及川瑞基(青森山田高校3年)が世界ランキングを持っていなかった数年前、彼らの世界ランキングスタートポジションを高くつける目的で、その当時初めて開催された「ユーロアフリカサーキット・クロアチアオープン」に出場しました。前週のベラルーシオープンからの転戦で、練習場も手配できなかった私たちを快くクロアチアNTの練習に合流させてくれました。ロストバッケージで短パンが届かず、仕方なくジャージで練習していた坪井・三部に「彼らは足がショートだから長いズボンをはいているのか?」と、お決まりのジョークを発しながら(笑)。バッケージが届き短パンで練習していた及川は笑っていましたが….(笑)。
最終日、午前中で大会が終了し、私を旧ザグレブ市内に連れて行ってくれたズボンコ。素晴らしい町並みでした。卓球の話は深夜x時まで….。「こいつも卓球クレイジーだな。(笑)」
(上はザグレブ旧市街。下がザクレブ市庁舎)
2014年コリアオープン。坪井勇磨(当時青森山田高校3年)は大当たりを見せ、格上を連覇。次の対戦相手はロンドンオリンピックにも出場しているフランスのエース選手でした。
「ズボンコ、UP-SET(番狂わせ)ないよね。」
「No, No, Koji.」「He is……..」詳細な戦術….。
「Come on, I expect BIG UP-SET!」
坪井は見事に格上に勝利し、大会序盤の注目を浴びました。
今月2日、オーストリアオープンに帯同していた板垣。やっぱり一歩体育館に踏み入れた瞬間にズボンコに会いました。もはや偶然とは言いがたい….。いつも「初日の玄関で」「初日のトイレで」「初日のホテルのレセプションで」….。
彼には会ってしまいます(笑)。
クロアチアのガチナ選手(ドイツ・ブンデスリーグ「グレンツァオ」で吉田雅己選手のチームメイトです。)は大接戦の末、格上のサムソノフ選手に勝利しました。
「Congratulation, Gacina. Good Game!」
「Thank you Koji, After me, Good Coach!」
世界には卓球を愛するたくさんの素晴らしいコーチがいます。英語なら敬語でなくても大丈夫です。
冒頭の写真はブラジルのカルデラーノに撮ってもらった1枚です。
「サンキュー、フーゴ。オブリガード!」
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