アポロニア(ポルトガル/WR50位)がWTTインドに出場し今節は出場しない事は分かっていましたが、怪我で戦線を離れていたワン・シーが出場するという情報が入っていたため、厳しい試合になるのを覚悟していました。
ワン・シーはブンデスリーグで戸上選手や宇田選手に勝利しており初対決には滅法強い。カットマンには絶対的な信頼のあるJinでもどんな試合になるのか?フィリップはできればカットとは対戦したくない、ワルター(ドイツ/WR86位)コズル(スロベニア/WR148位)も安定した実力の持ち主。
相手がどんなオーダーで来るかは読みきれない。Jinがエース。フィリップはワンと当たっても2番。3番にバスティ。ダブルスに回ればアレグロがチームを救ってくれるだろう。この結論で勝負。
試合開始19:00
1番 Jin vs ワルター。試合巧者で守備の上手いワルターが、カウンターを浴びせる展開でJinの速い攻めがなかなか通用せず。ゲームカウント1対1となった第3ゲーム中盤でアンラッキーなポイントが続き、流れを掴めないまま1対3で敗退。
2番 Filip vs ワン。怪我から数ヶ月ぶりに復帰したワン。フィリップはカットマンに若干の不安があるものの、前回の対戦は5年前。今のフィリップはオリンピック選考レースもあり気持ちも乗っているので勝機はあると感じていました。サーブ3球目とブチ切れカットからカウンターを狙うワンに対し、対攻撃のように「バズーカサーブ」と形容されるロングサーブを連発し、落ち着いてカットをさせない。レシーブはバックでのチキータを捨てて、あえてフォアハンドで回り込んでフリックして3球目を防ぐ。この戦術がヒット!ゲームカウント3対0で大きな勝利!流れを引き戻す!
3番 Basti vs コズル。サーブが上手く両ハンドのバランスが良いコズルに対し、1ゲーム目を失いますが、ここから自分のサーブを生かした攻撃が機能し始め、我慢の展開ながら3対1で勝利!
4番 Jin vs ワン。カット攻略には絶対的な自信のあるJinですが、ワンはほとんどカットはせず、とにかくワンのサーブ3球目をどうやって防ぐか。カットに追い込むかがポイントでしたが、完璧なサーブレシーブと落ち着いたカット打ちにワンが諦めて3対0で勝利!
【 ハイライト動画です 】
誰が殊勲とは言えない、本当に全員の頑張りでの勝利!ダブルスまで回らなかったものの、しっかりと準備しているアレグロにも感謝の気持ちで一杯です。
これで後半戦2試合を終え、1部でプレーして初の3位に浮上しました。
試合後にホールで夕食を食べている時に「チームが勝つと本当に嬉しいですね」と上田選手。
「そうだよね。でもチームが負けた時のガッカリ感も凄いけどね ..。あれ?もしかしてチャンピオンズリーグから含めて、まだチームの負けって経験してないの?」
「そうっすよ。個人での2敗はなく、チームとしてはヨーロッパに来てから全勝中っす!」
「コージ、今日勝てば3位になるから頑張ってね。プレーオフが見えてくる!」
試合前に沢山のサポーターに声をかけてもらったこの言葉が私を固くしました…
「勝てば3位 .. 勝てば3位 .. 」
冷静さをキープしようとしても試合がよく見えない … 卓球台が見えない …
ようやく見えてきたのが2番のフィリップ試合の1ゲーム目の中盤から …
Jin にはもっと幅広いアドバイスができたはずなのに …
「青森で仕事をしていたあの時の気持ちを思い出そう。これしきのプレッシャーは耐えてきたはず」
次節への課題を持っているのは選手ではなく私です。
そして翌日、上位候補のオクセンハオゼンが最下位のマインツに痛恨の敗退。オクセンハオゼンとの対決が2月3日(土)です。これ以上負けられないオクセンハオゼンはWTTインドに出場したカルデラーノ(ブラジル/WR7位)を出場させるでしょう。
1月27日はコハルとカズトの14歳の誕生日でした。ドイツでは誕生日を大切にしパーティーを開くのが文化ですが、今日はブンデスリーグ。カズトは6部リーグのアウェーでのダブルマッチでしかも帰宅したのは23時すぎ。
ボバのお母さんが手作りのケーキを持ってきてくれました。ありがとう!
試合の応援に来ていたコハルは試合後の片付けを手伝い、皆さんにお祝いの言葉をいただきました。
ブンデスリーグで勝利した後に上田選手の長男あおば君がセンターコートを走り回るのを見てると ..
6年前、初の1部での勝利の後にセンターコートに無許可で乱入したカズトに瓜二つ笑!
しっかりと受け継いでくれています笑。
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