吉村真晴(よしむらまはる)選手は1993年8月3日生まれ茨城県東海村出身、右シェーク裏裏ドライブ主戦型。
世界一とも称されるアップダウンサーブや多彩なレシーブ、威力のある両ハンドドライブを武器に前中陣でのラリーを得意とします。また後陣に下がってもロビングから反撃ができるオールラウンドプレイヤーです。
ITTF世界ランキング最高は15位(2016年5月)段位は9段。
中陣フォアカウンターを実演する吉村真晴選手
「吉村真晴選手の中陣フォアカウンター。タメを作る方法とは」より
元卓球選手の父とフィリピン人の母を持ち、名前の真晴(マハル)はタガログ語で『愛する』を意味します。弟の吉村和弘選手、吉村友斗選手も卓球選手です。
卓球には幼稚園児当時から興味を持ち始め、小学校入学と同時に始めました。父親が元卓球選手で地元の東海クラブで指導していたことから、父の指導により厳しく鍛えられ幼少期より頭角を表します。
2003年全日本カブの部男子シングルス優勝、2005年全日本ホープスの部男子シングルス準優勝など、全国大会で素晴らしい成績を収めました。
小学校卒業後は、ロンドン五輪日本代表の岸川聖也選手を育てた橋津文彦監督に誘われて宮城県の秀光中学に進学します。その後中学3年の夏に橋津監督とともに山口県の野田学園中に転校し、高校も野田学園高校に進学します。
高校2年時のインターハイでは平野友樹選手と組んだ男子ダブルスで優勝、男子学校対抗で準優勝。高校3年時には男子シングルスでベスト4、有延大夢選手と組んだ男子ダブルスで優勝、男子学校対抗で準優勝という結果を残しています。
また、世界ジュニア選手権では男子シングルス3位、丹羽孝希選手との男子ダブルスで3位、さらにアジアジュニア選手権では男子団体で準優勝、酒井明日翔選手と組んだ男子ダブルスで準優勝、男子シングルス優勝を果たし輝かしい国際大会デビューを飾ります。
高校3年で臨んだ2012年全日本選手権では男子シングルスで快進撃を見せ自身初の決勝進出。
決勝戦では当時大会5連覇中だった水谷隼選手相手にをゲームカウント3-3。7-10からの大逆転勝利を果たし、史上2人目となる高校生での全日本王者へと輝きました。
当時解説の宮崎義仁氏は「今までの日本人には持ってないような威力」とバックドライブを評価しています。
高校卒業後は愛知工業大学に進学後しました。
大学2年生の時にはドイツのブンデスリーグに挑戦、ハーゲンに所属し腕を磨き2015年のスペインオープンでは男子シングルスで優勝しています。
同年世界選手権では石川佳純選手とのミックスダブルスにおいて日本で38年ぶりとなる銀メダルを獲得、クロアチアオープンでは男子シングルス優勝。さらに世界の強豪が集うジャパンオープンでは以前にも増して安定した鋭い両ハンドドライブとアップダウンサーブを武器に決勝戦進出。決勝では惜しくも中国の許昕選手に敗れるも、何本もサービスエースを奪っています。
2016年リオオリンピックでは男子団体のメンバーとして活躍しました。準々決勝で中国香港の黄鎮廷を撃破、準決勝では丹羽孝希選手と組んだダブルスでドイツのティモ・ボル選手バスティアン・シュテガー選手ペアに勝利するなど、日本男子初となる銀メダル獲得に貢献しました。
また、翌年の世界選手権では、丹羽孝希選手と組んだ男子ダブルスで銅メダル、石川佳純選手と組んだミックスダブルスで金メダルに輝いています。日本勢の世界選手権金メダル獲得は、1969年大会以来となる48年ぶりの快挙となりました。
平岡ブログ「吉村真晴・石川佳純ペア、世界一」より
2017-2018シーズンはロシアリーグに参戦、UMMCでプレーし腕を磨きます。2019年の世界選手権では張本智和選手の怪我により急遽石川佳純選手とミックスダブルスに出場。ここでもアップダウンサーブが武器となり、どこからでも打てる両ハンドドライブ、さらにはバックの二段モーションフリック、チキータ、ストップなど多彩なレシーブ技術を駆使し見事3大会連続のメダルとなる銀メダルを獲得しました。
Tリーグでは2018-2019シーズンから参戦、T.T.彩たまのキャプテンを務めました。2019-2020シーズンからは琉球アスティーダでプレーしています。
2020-2021シーズン、2022-2023シーズンではプレーオフファイナルで勝利を挙げ、チームの優勝に貢献しました。
2019年以降は新型コロナウイルスの世界的な流行やワールドツアーのシステム変更もあり、国際大会からは距離を置いていましたが、2022年よりパリオリンピック出場を目指して国際大会へ復帰を果たします。同年のアジア競技大会の日本代表選考会では優勝を飾ります。
2023年に開催された世界選手権アジア大陸予選では、東京オリンピック金メダリストで当時世界ランキング2位、中国の馬龍を破って代表権を獲得。同年4月には4年ぶりにナショナルチームに復帰、9月に開催されたWTTフィーダーバンコクでは2015年のクロアチアオープン以来となる国際大会シングルス優勝を果たしました。
吉村真晴選手の動画はこちらからも視聴できます。
吉村真晴選手の代名詞でもあるアップダウンサーブ、多彩なレシーブ、威力のある鋭い両ハンドドライブに、安定感…進化が止まらない吉村選手の活躍から今後も注目です。
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