高樹ミナ
スポーツライター。千葉県出身。競馬、F1、プロ野球を経て、00年シドニー、04年アテネ、08年北京、10年バンクーバー冬季、16年リオ、20年東京五輪・パラリンピックを現地取材。主に卓球、トライアスロン、パラスポーツを専門とする。執筆活動の他TV、ラジオ、講演等にも出演。自著に『卓球ジャパン女子』(汐文社)。『ポジティブラーニング』(松岡修造/文藝春秋)、『転んでも、大丈夫』(臼井二美男著/ポプラ社)、『美宇は、みう。』(平野真理子/健康ジャーナル社)、『卓球メンタルメソッド』(平野早矢香/実業之日本社)他で構成・編集協力。国際スポーツプレス協会(AIPS)および日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。
夏本番の8月になりましたね。学生さんは夏休み、お仕事されている皆さんももうすぐお盆休みでしょうか。
スポーツライターには基本的にまとまった休みがありません。
スポーツ大会は日夜、地球のどこかで開かれていて、卓球も先週と今週は日本との時差14時間の南米ペルー(リマ)と時差12時間のブラジル(リオデジャネイロ)でWTTコンテンダー2連戦。完全に昼夜逆転生活で、この原稿も深夜2時にライブ配信で試合を見ながら書いています。
WTTリマの開幕前、上田仁選手にインタビューしてきました。
今月15日、いよいよドイツへ発つため出国準備に追われる毎日だそうですが、卓球の練習はしっかりできている様子。
「いろんな選手と連絡を取り合いながら週4回くらい練習しているので、卓球に対する不安はありません。ただ日本を離れる前の手続き事とかで忘れていることないかなって、それが心配」と話していました。
日本食との別れも惜しそう。「朝食はパンをやめてご飯。うどんと蕎麦も食べてます。あとホルモンと焼肉。家族との外食は子どもがいるので回転寿司が多いですね」とのことでした。
確かにドイツでもデュッセルドルフのような都会には日本食のお店がたくさんあって、食材も豊富に売られていますけど、ケーニヒスホーフェンの街は鉄道も通っていない長閑な田舎町。日本食にはなかなかありつけません。
もちろん、ケーニヒスホーフェンにも美味しい食べ物があるんですよ。
例えば外はカリカリ、中はジューシーなチキンの炭火焼き「ハルペス・ヘンヒェン」や生の豚挽肉と玉ねぎのみじん切り、ハーブなどをバゲットに乗せた「メット」は絶品! ドイツビールとよく合うんです。
そして、一番気になるのは上田選手の胸の内です。
当初、予定していたヨーロッパデビューをドイツ・ブンデスリーガではなく、オーストリアの強豪ウィナー・ノイシュタッドからチャンピオンズリーグで飾ることになった上田選手。
そのことが判明した6月から少し時間が経った今、どんな気持ちでいるのでしょうか。
「最初に聞いた時は頭が真っ白になりましたけど、今はオーストリアで新しい繋がりもできるし、ヨーロッパの強い選手たちと試合できるチャンスでもあるので、結果的に良かったんじゃないかと考えています。妻とも『濃い一年になりそうだね』って。どうなるか考えても先のことは分からないし、出たとこ勝負じゃないですけど、その時々を楽しめたらいいかなって思ってます」
31歳でブンデスリーガ男子1部に初挑戦し「卓球で人生を表現したい」と言う上田選手。知らないことを知ることは「人間的な成長と人生観の広がりに繋がるはず」と今回のアクシデントもポジティブに捉えている様子に、これまで山あり谷ありの選手生活を乗り越えてきた強さを感じます。
一方、ドイツ現地では8月3日にケーニヒスホーフェンの板垣孝司監督が誕生日を迎えました。
2023-2024シーズン開幕戦(対戦相手はグレンツァオ)を28日に控え、板垣監督も戦闘モードに入りつつありますが、この日ばかりはリラックス。
シーズン前半戦、即戦力の上田選手を欠いてとても残念がっていますが、来年1月に始まる後半戦に向けチャンピオンズリーグを戦う上田選手を全面的にサポートしていきます。
高樹ミナ
スポーツライター。千葉県出身。競馬、F1、プロ野球を経て、00年シドニー、04年アテネ、08年北京、10年バンクーバー冬季、16年リオ、20年東京五輪・パラリンピックを現地取材。主に卓球、トライアスロン、パラスポーツを専門とする。執筆活動の他TV、ラジオ、講演等にも出演。自著に『卓球ジャパン女子』(汐文社)。『ポジティブラーニング』(松岡修造/文藝春秋)、『転んでも、大丈夫』(臼井二美男著/ポプラ社)、『美宇は、みう。』(平野真理子/健康ジャーナル社)、『卓球メンタルメソッド』(平野早矢香/実業之日本社)他で構成・編集協力。国際スポーツプレス協会(AIPS)および日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。